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新井 仁

Amazon books訪問記

最近、仕事の関係でシアトルに出張がありました。半日ほど時間があったので、2015年11月にオープンしたというAmazonの実店舗、Amazon booksに立ち寄ってみましたのでレポートします。

ポイントは以下の通りです。


  • 基本的には、フツーの本屋さん。ただし、価格表示は一切なし

  • Amazonの自社デバイスのショールーム

  • POSレジが一味違う


正直、期待していたほどには「リアルとオンラインの融合体験」は得られませんでしたが、最後の最後に少しばかりの驚きがありました。



立地は大学近くのハイクラスなショッピングモール


地図がコチラ。University of Washingtonの敷地から大きな通りを挟んで北側、オープン型モール(屋外で、通路部分が広い散歩道になっているようなショッピングモールの形態)である「University Village」の中にあります。



同モールの最も南西、立体駐車場の出入り口すぐそばという好立地に amazon books があります。ちなみにUniversity of Washington、とても広大です。クルマで端から端まで20分くらいかかるのではなかろうか。



店舗内1: まず目につくのがFire TV


Fire TVの展示
新着ハードカバーの島の奥に大型TVがあり Fire TVでゲームが楽しめる

店内は基本的には本屋なのですが、本以外にもAmazon製のデバイスたちも展示・販売されています。Fire TV、Kindle、Echoなどなど。


Kindleの展示
Kindleの展示販売
Kindleの展示
実際の見た目を確認できます

Kindleの展示台下の部分には、KindleのカバーやAmazon Basics(いわゆるプライベートブランド)の、ちょい買いしそうなLightning USBケーブル、USB-ACアダプタ、イヤホンなどが陳列されています。



店舗内2: 書籍の展示


書籍の陳列棚
書籍の陳列棚

本丸の書籍コーナーへ。並んでいる本は、一見フツーのものばかり。しかしながら、そのほとんどが総合4Star以上の高評価か、何らかの受賞作品か、はたまたスタッフチョイスか、といった具合に「ここで買えば大ハズシはしないよ」といった書籍が並んでいるとのこと。



書架でのKindleの展示
書架にはKindle本体の展示も。Kindle版がある書籍の近くに本体を展示しています。

書籍棚に、しれっとKindle whitepaperも。このKindleでは、横にあるハードカバー「A wild swan」のKindle版を数ページ読むことが出来ます。いかにもAmazonですね。


店舗内3: 一切の価格表示なし


ここが特徴のひとつ。店舗内の書籍・商品には、価格表示が一切ありません。その代わり、店舗内のところどころに「プライスチェッカー」があります。



プライスチェッカー
プライスチェッカー。バーコードをかざすことで商品の値段が分かる

このプライスチェッカーの仕組み、アメリカの小売業ではさほど珍しくありません。トイザらスやターゲットなどでも見かけます。展示商品のひとつひとつに値札をつけると、値段を頻繁に変える場合に手間ばかりかかってしまうためでしょう。しかし、通常は棚に「ぬいぐるみ $29.99~」といった表示くらいはあるものです。


しかし、Amazon booksにはそれすらない。


理由は単純明快、オンラインの価格と同じ、かつそれが高頻度で変動するから。

少なくともオンラインでは、毎日価格が違うなんてこともザラにあるようです。買う側からするとオンラインと同価格というのは納得感がありますが、「スパっと価格が分からない」点はややマイナスではないかと。ここは電子ペーパー型プライスタグなど、Amazonらしくテクノロジーで解決してほしい気がします。



価格の確認方法
Amazon.comと同じ価格ですよ、との説明

こちらの説明書きでは「この下でバーコードをスキャンしてね。価格はAmazon.comとまったく同じですよ。もしくは、Amazonのスマホアプリでも価格チェックできるよ」と説明されています。



価格の確認方法
Amazonのスマホアプリでバーコードをスキャンしてね、とのこと。

店舗内4: 実店舗とオンラインをつなぐもの


Amazon BasicsのUSB-ACアダプタ
記念に購入したUSB-ACアダプタ。Amazon Basicsです

ここまでは実のところ普通の小売店とそんなに差は感じられません。当たり前ながら面積の都合でオンラインほど豊富な品揃えがあるわけでもなく、価格がオンラインと統一されているということ以外、特段新しい体験があるわけではありません。


「あのAmazonが、そんなはずはないだろう?」と疑う気持ちで、試しに一つ何かを買ってみることにしました。

英語の本は読まない(読め…ない)ので、Amazon Basicsのなかから「あって損はしないよね」という、高速充電対応USB-ACアダプタ $29.99 をチョイス。


名札を首から下げたスタッフさんに声をかけてPOSに向かう。POSのディスプレイはワクがついていて何のハードウェアか分かりませんでしたが、期待としてはFire tabletであって欲しい。



スタッフさん、普通にバーコードをスキャンして価格を読み上げ。私がクレジットカードの磁気ストライプをピッと読ませると…


のような表示が。え、ちょっとまって、どうやって俺のこと特定したの?とスタッフさんに聞いてみると…


あなたが今使ったクレジットカード、Amazon.comに保存してあるでしょ?それで分かるんだよ

とのこと!おおー、ここでようやくAmazonらしさが!でも、残念ながら、それだけ。ええ、それだけ。


総括: 期待していたほどの体験ではなかった


Amazonさんがその地位を確立した一番最初の要素は「レコメンデーション」だったように思います。自分の購買履歴や自分と似た属性の人の履歴から「この商品を買った人は、こんな商品に興味を持っています」という、アレ。レコメンド。

でも、残念ながらオンライン体験のアレは、店舗内には一切見られませんでした。


そして、私自身をクレジットカードで特定しているにもかかわらず、私のAmazon.comの購買履歴には実店舗で買ったUSB-ACアダプタはいまだに出てきていません。購買履歴は実店舗のそれは取り込んでくれないようです。


会員証かざして云々…といった、強引なカスタマー体験を挟み込まないシンプルさはAmazonらしくて好きですが、それにしても、もうちょっとオンラインでのAmazon.com体験に近づけてほしかった…というのは私があまりにもGeekyだからでしょうか?


まぁ、昨年11月にオープンしてまだ半年あまり。これから、もっともっと新しい小売体験を提案してくれることを期待しています。



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